お知らせ
数値で管理出来るものは数値を使おう!?
急ぎの仕事を命じられる場合、「なるべく早く」と指示する上司がたまに居たりします。
上司と部下が同じ共通認識を持っているなら問題無いのですが、自分の価値基準で判断すると大抵トラブルになります。
わからないならば確認しろと言われます。
それで日時、仕上がりの程度・手段方法など個別に細々と質問すると嫌な顔をされたりもします。
本当は上司の指示の曖昧抽象的なことが問題なのですが、新人は要領よく確認することが出来ず困惑します。
多くの人は面倒なことは避けたいし、なるべく責任は負いたくないと考えます。
そうすると抽象的な表現が多くなり、精神論や建前で聞こえの良い発言や報告等が多くなりがちです。
特に売上目標など数値が大事なものまで曖昧にされると、共有情報や指示・アドバイスなども不明瞭なものになりがちです。
だからこそ数値で表わせるものは数値を用いるべきです。
ところで、売上など最終結果は、多くの中間過程の行動の積み重ねから生み出されます。
それぞれの行動の質や量の数値が不明だと行動をどのように修正すれば良いかわかりません。
要素である行動(変数と考えて良い)を変化させて結果が良かったら増やし、減らしても変化なければ、廃止・削減すれば良いのです。
上司は部下の要素としての行動に注目し、支援指示を行えば良くなります。
そうでないと、仕事の管理対象が曖昧で抽象的になり、時には感情的になり人格に関しても追及対象に含まれパワハラと受けとめられる可能性も出てきます。
一般的に数値管理を強化すれば職場の人間関係が厳しくなると言う人もいますが、それは最終結果だけに注目するからです。
プロセスごとに数値管理を行い改善を加えていけば問題は少ないでしょう。
数値管理を適切に行えば成果を上げる一方、人に対する負担が特別に増えるものでもないと言う状況が可能になります。
このあたりを詳しく解説した書物としては『数値化の鬼』安藤広大著(ダイヤモンド社刊)があります。
とくに経営者や中間管理職にお勧めです。
また、同じ著者の『リーダーの仮面』、『とにかく仕組み化』も三部作のベストセラーです。
数値が大切だと説明しましたが、役に立たないニセ物の数値もあります。
本来数値は客観的なもので無ければなりません。
しかしながら、主観的なものを具体的にイメージ化するために数値を用いることがあります。
例えば、自分の限界に対して今は何%かと聞かれた場合の答えの数値等です。
主観的な数値は他と比較することも出来ないし、心理的状況が変われば同じ状態でも値は違うものとなります。
つまり科学的なもので無いから管理に活用出来ないのです。
《まとめ》
科学的(客観的、具体的)管理を行うためには数値は不可欠である。
ある結果が作り出されるためには、多くの要素である行動が必要。
行動の一つ一つを数値管理することは比較的に容易である。
数値に基づき行動を変動させることにより結果をコントロールすることができる。
具体的行動を管理することは、人間関係のストレスを減らすことになる。
数値には主観的な使えないものもあるから注意が必要。
にせの数値には騙されないこと。
令和5年9月度 242号(R05.09)
数値で管理出来るものは数値を使おう!?