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2024/01/16

令和5年12月 245号(R05.12)

社員が残念な考え方(思考)になっていませんか!? その3

社員が残念な考え方(思考)になっていませんか!? その3 前月につづいて、ベテラン社員でも陥りやすい間違いや勘違いについて5点取り上げていきます。


①「現場のことは現場に任せるのが一番」

《真実》 それを理由に仕事を丸投げにし、責任を放棄する無責任管理職もいます。枝葉の問題は現場に任せるのが仕事が早く進みます。管理者は幹となる部分をしっかりサポートし、目的を達成させる必要があります。ただ、現場では視点が短期的あるいは部分的になりがちです。だから、管理者は長期的あるいは全体的視点で調整をはかる必要があります。現場の最善が全体の最善とはならない時もあります。


②「お客様第一主義が正しい」

《真実》 利益の源泉はお客様の選択購買だからそう言われるのでしょう。しかしながら、お客様が模範的な経済人とは限りません。悪質なクレーマーになることもあります。また、会社が儲けるために社員の負担が多くなること(ブラック企業)も良くありません。三方よし(売り手・買い手・世間)と言う言葉があります。お客様を大事にしつつ、関わる全ての人に利益(便益)をもたらす活動が理想です。


③「滅多に起こらないことは考えなくても良い」

《真実》 優先順位が低いことは後回しとなることが多いでしょう。しかし、福島の原発事故の時にそのようなことも原因の一端とか。多くの人が火災保険や自動車保険に加入するのも万が一のことが心配だからです。避難訓練や緊急時の備蓄等も有効です。たとえ確率が低くても起こったら悪い影響が大きいことには準備するのが大事です。特に人命に関わるようなことや会社の存続に影響あることには。


④「即断即決が良い」

《真実》 一般に成果を出す人は決断が早いと言います。しかし、それが可能なのは常日頃から問題意識を持って考えているからです。普段、考えていない人が真似すると、ろくなことはありません。まずは時間が掛かっても良いからよく考える習慣を付けることです。次第に早くなります。失敗しても挽回が可能になります。ところで、性格的に大したことないことでも決断が遅い人がいます。例えば、外食でのメニュー選びなど。これなど、ルールを決めて即断の基礎トレーニングとして始めるのも良いでしょう。

⑤「経営方針理念等が明文化されていない会社はダメ」

《真実》 組織が大きく成ると、理念等が明文化していない場合、経営者の思いが末端の社員まで浸透しないからそう言われるのでしょう。ところで、コンサルタント等から勧められて経営方針理念等を作成したものの、社長室の額にかかっているだけと言う会社もあります。中小零細企業では理念等が有る無しよりも、経営者が日頃から情熱を持って会社の将来について夢や構想を語ることが大事となります。

経営のベクトルが同じ方向だと会社は成長するし、バラバラの状態では優秀な社員がいくら頑張っても状況は良くなりません。明文化された経営理念等は、それぞれ異なる社員の思いや行動を一定の方向にまとめるためのツールのひとつです。