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社員が残念な考え方(思考)になっていませんか!?その4
前年からの続きで、年始めは経営陣も陥りやすい間違いや勘違いについて3点取り上げていきます。
①「売上目標の達成が最優先事項である」
《真実》 売上高は分かりやすい重要な指標です。目標の対象としても目に付きやすいものです。同業者との比較でも話題になりやすい。また、社員や利害関係者等に粗利率や経費等を明確にしたくないため、売上を指標とすることもあるでしょう。しかしながら、目標数値を追求するため多量の値引を行ったり、販売のための経費が膨らんで利益が無くなってしまう場合もあります。また、経費は油断すれば予算を超過しがちですが、売上は増加は計画通りにはいかないものです。だから、売上だけに目がいけば経営を間違えやすい。さらに、会計等がずさんで正確な原価等の数値を把握出来て無ければ売上を基準にするしかない。決算で締めてみて、初めて正確な損益が確定するなど最低です。優良な会社はまず必要な利益から計画し、必要な経費を賄えるだけの粗利益を計算し、そこから必要な売上を設定します。その後、現場等で必要な売上目標がきまります。だから、重要な事項は、経常利益→売上総利益→売上高の順番です。極端に言って売上が現状維持でも利益が増額ならば、あまり心配は無いはずです。
②「経営計画が会社を成長させる重要なツールである」
《真実》 経営計画は、経営者の怠け心を戒めるため、あるいは社員の目標や意識を合わせるために有効です。また、計画を作成する過程で社内外に意識が向き、環境の変化への準備にもつながります。経営者の頭にある漠然とした夢を具体的にするのにも役立ちます。だからといって零細企業に必ずしも必要はないかも知れません。毎日のすべきこと、頼まれ事等に真剣にコツコツと努力を続けることも大切で、結果として気が付いたときには、特殊な隙間の分野で一流と認められるかも知れません。
③「税金をなるべく払いたくないから節税対策が必要」
《真実》 経営陣が、他人が遊んでいる時間も働いて儲けが出たのに、国などが一部を持って行くのが納得いかないと考える人は多いものです。特に、勤労所得しか収入が得られない貧困層出身者などは、所得税の累進課税制度など最悪と思うかも知れません。また、法人で役員報酬を増やすと社会保険等の支払いも多額で手取りはそれ程増えなかったりもします。同業者が高級車等を会社で購入し経費に落としているとの話にも関心がそそがれます。これは、経営者の成長過程で必然的なことと思われます。いざとなれば、蓄えの全てをはき出し、また自宅等も売却しなければならない程、普通の勤め人とは違う大変なリスクを負う経営者のことは理解してもらえないものです。だから、ある程度は自分へのご褒美だとして、少しは贅沢しても構わないでしょう。当然、無駄な税金は払う必要ありません。しかしながら、過度な節税は、資金繰りを悪くします。将来の利益に繋がらない無駄な支出も増え、不況や災害等の急な出費に対応出来なくなります。経営者の多くが社員のことよりも自分たちの方に目が行きがちなため、経営者の贅沢のため働かされることへの不平不満が生まれる場合もあります。だから、ある程度(優良な同業者の平均)で、利益は経営陣と社員等利害関係者と国等(税金)で三分割するのが望ましい。さらに、ある程度利益が出るのが一般化し、事業の拡大成長を考えるようになれば、無理な節税策は採らなくなるようです。「税金は利益の全てを持って行かないが、脱税は全てを持っていかれるから、税金を払って会社にお金を残すのが賢い」からです。
令和6年1月度 246号(R06.01)
社員が残念な考え方(思考)になっていませんか!? その4