お知らせ
良い人材を積極的に育てていこう!
コロナ禍の活動制限等による影響もほぼ治まり、飲食やサービス業も以前の状態に戻りつつあるようです。そうなると、求人に対する人手不足が再び問題となってきています。観光業等におけるインバウンド需要も回復傾向にあり、また、本年4月から始まる運送業や建設業の残業規制等も人手不足に拍車をかけるでしょう。先日、ある会合で地方銀行の方が、最近は人手不足の影響で支店間の人事異動が遅くなっているようなことを言ってありました。銀行でもそうであるならば、まして中小零細企業においては大変厳しい状況が続くと予想されます。
求人を行っても、会社が採用したい実務経験者や環境適応が高いと思われる優秀な若者はまず、巡り会えない状態です。以前なら、書類選考段階で落としたであろうような人も面接に誘ったりします。良さそうな人材はその場で内定を出します。応募者に聞いてみると大抵数社面接を受けていて、採用内定を貰った会社の中から一番好条件なところにいくつもりだそうです。だから、ゆっくり慎重に選んでいるヒマはありません。たまに経験者の若手を採用しても、個性が強く組織に馴染まないで辞めてしまう場合が多いようです。このように、募集しても来ない、来ても即戦力はむり、しかも長く続かない場合が多い。そして、優秀な戦力に大化けするような人は滅多にいないようです。
中小零細企業の取るべき方法は2つ。1つは、新規採用は無いものとして、現在の職員で仕事を回していくことを考えることです。当然、既存のやり方で量や効率を上げようとしても限界があります。やるべき仕事とやらない仕事を細かく分類検討し、やらない仕事はお客様の協力を仰いだり、外注化したりして削減します。残ったやるべき仕事は、過去の常識に捕らわれない新しい視点から再構築を行います。その際、今後急速に進むであろうDX化(デジタル技術の活用による仕事の改革)を行いながら高品質の商品サービスを提供できるように仕事を変えていきます。人の補充は最小限で無理しないことです。2つ目は、未経験者なら何とか採用できる場合です。この場合は、時間をかけて教育や訓練を行っていきます。とは言っても零細企業においては、教えることの出来る人材や費用等に問題が多いと考える人がいるかも知れません。最近はWEBセミナーなどでビジネスの基本等を比較的低料金でいつでも学べるコンテンツも増えているようです。また、ベテランが新人に毎回教えている技術的なことは、スマートフォンのカメラの動画で撮影し、それをパソコンの社内ネットワークのフォルダーなどにマニュアルと共に保存しておけば、次の新人はまず、その動画やマニュアルを見て分からないことの質問だけで済みます。それを少しずつ増やしていけば立派なマニュアル集となります。写真や動画つきのマニュアルなど年配者は大変だと思うかも知れませんが、若い人はSNSなどで日頃から経験していて、言えば簡単に作れる人も少なくないようです。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」と言う有名な言葉があります。この内、「やってみせ、言って聞かせて」は、WEBセミナーや写真・動画付きマニュアルで支援することができます。もちろん、大切な企業(経営)理念や方針等も教育も合わせて行うことは重要です。
人が育たないと嘆く経営者もいますが、人が育つ環境・しくみや努力が不足していて、それを社員のせいにしているのではありませんか。やるだけやってそれでもダメならば仕方ないかも知れませんが。探せば社員が成長している優れた会社は多数存在します。良いことは真似ていきましょう。
令和6年3月度 248号(R06.03)
良い人材を積極的に育てていこう!