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2024/05/13
令和6年4月度 249号(R06.04) コミュニケーションには言葉等の定義が大切!

令和6年4月度 249号(R06.04)

コミュニケーションには言葉等の定義が大切!

コミュニケーションには言葉等の定義が大切!


 同じ日本語を話すから、多くの人は言ったことが伝わっていると考える。しかしながら、言葉によっては、年齢(世代)や性別、職業により、更には地域によって、頭に浮かぶ内容が異なる場合もたまにある。雑談レベルならば、後で笑い話で済むでしょう。これが仕事上の重要な問題に関連するならば、大変なことになるかもしれません。


 行政など混乱を避けるため、例えば、法人税では「交際費」については、「交際費等」と呼ばせ、「交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。」とした上、交際費等の範囲から除かれるものを揚げています。そうすると交際費であっても税務上の交際費にならないものや、呼称は交際費以外であっても税務上は交際費の範囲に含めなければならないものも出てきます。

 「目的」と「目標」に関しては、「目的」についての共通認識が違えば、「目標」自体が大きく違ったものになるし、その「目標」が、努力目標なのか、必達目標なのか、理論上可能な最大値なのか、許容最低限度なのかなど、その要求されている性質が異なれば、話がかみ合わないものとなります。

 抽象的な言葉はなるべく使わない方が無難です。「なるべく早く」では聞いた人の性格等から幅が広くなりすぎて混乱を招く可能性があります。何月何日の何時までのように具体的に。「出来るだけ多く」では無く「何個(台、㎏、枚)」など。色や堅さなどは標準的なスケールなどを用いましょう。赤や青など無数の無数段階にあるものは、通常、言葉では表し難いものです。「明日から、次回から」は油断すれば、後に移動してしまいます。「今日から」「○月○日から」が良いでしょう。

 「反省」と言う言葉も使う定義が必要です。①自分のしてきた言動をかえりみて、その可否を改めて考えること ②自分に良くなかった点を認めて、改めようと考えること と辞書に書いてあります。①の視点では上手くいった、良かった経験をまとめ次回に活かすことも可能です。しかし、②のほうが圧倒的に多いです。②の視点が強いと、適当な悪い理由を見つけ出し、形式的に自分の至らない点を反省したふりをし(させ)、自分を落として、上位者を優位にし、あるいは喜ばせたりします。これは慣習的パワハラです。儀礼(儀式)的反省は、改める具体的内容も無く、意味はありません。

 広い意味で言う○○とか、狭い意味での○○なども人それぞれ範囲が違います。通常の会話ではなんとなく分かったふりをします。あるいは違いを認識していないのかも知れません。

 言葉の定義からは外れますが、言っていることが「本音」か「建前」かと言うことも問題です。こちらが本音で言っているのを、相手が建前と捉えると、相手がこちらが意図している通りに動いてくれず、行動が失敗に終わることになります。相手の腹の内をあかせないと上手くいきません。

 また、相手の本気度も把握しておく必要があります。たとえ、言葉の定義のすり合わせができ、共通認識があったとしても、相手にメリットが無く、デメリットさえ生じる可能性があるならば協力は難しくなります。


 コミュニケーションでは、内容の確認が大切です。まずは、使用する用語(言葉)の定義のズレをなるべく少なくすることです。