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2024/11/15NEW
令和6年10月度 255号(R06.10) 優先順位や二者択一をお客様にも求めてはいけない!

令和6年10月度 255号(R06.10)

優先順位や二者択一をお客様にも求めてはいけない!

 自分の夢や目標は漠然と持つのではなく、絞ってより具体化し達成に向かって集中的に努力行動を起こすのが良しとされます。仕事においても同様、限られた諸資源(資金)を活用し経営を行うのだから、優先順位を決め、やるべきことを絞ることにより、利益を上げることにつながり、結果、他社との競争に打ち勝ち、生き残ることになり、お客様の利益にもつながり、社会にも貢献出来ると考えられます。


 当たり前のことですがビジネスは、利害関係者の全てに利益(便益)をもたらすもので無ければ長く続きません。特にお客様の存在を意識し無ければなりません。会社側からすればお客様に取って有益と思われる商品サービスであっても、全くお客様の興味を引かないものや、有益ではあるが優先順位がかなり低いと思われるものもあるでしょう。また、アンケート等の要望によって改良した商品サービスが大して売れなかったりします。逆に、マニアックな商品で少量しか売れないと思われたものが結構売れたりします。さらに、開発側で有ったら良いだろうと思い世に出した商品が、お客様から「こんな商品を待ち望んでいた」と言われたりすることもあるようです。このように、お客様に潜在的な欲求があっても商品化されていないものは、見えないものなのです。また、最初は欲しいと思わなかったレアな商品が、ユーザーが増えたら自分も使ってみたいと思ったりもします。お客様は結構気まぐれなようです。

 売る方からすれば、より多くのお客様に響くような商品サービス作り、売り出し方に工夫を凝らしても、特徴(個性)がなく面白くないから買わないこともあるようです。だから対象を絞ったものを世に出し、売れれば別の対象のものを増やし、シリーズ化する場合もあります。汎用(オールインワン)商品は難しいようです。信頼が低い中小零細企業の商品は特徴を活かしたほうがよいでしょう。

 商品を開発する側からすれば機能の絞り込みは経営資源の集中から合理的です。特に相反するものを盛り込むことは難しいので、二者択一の選択をするはずです。ところがお客様の中には一方では無く、両方の機能が欲しい。さらに、別の機能も付け加えて欲しいなどの声もあります。これも直ぐには対応出来ないかも知れません。しかし、出来れば計画的に1つづつ増やしていくこともありでしょう。若手社員の中にも課題を二者択一化し、上司に指示を仰ぐ者もいますが、課題は出来れば全て解決すべきで、対応する順番として優先順位があると言うことです。複数の課題を一度に解決しようとすれば失敗したり、時間が掛かり過ぎたりするからです。ひとつ1つ素早く取りかかるのが良いでしょう。

 当然ですが商品サービスの価値を正しく伝える努力も必要です。お客様が気づかない商品は、どんなに素晴らしくても存在しないのと同じです。過大広告はダメですが、選択肢に残るよう努力すべきです。

 「売り手よし買手良し三方よし」とか「ステイクホルダーを意識した経営」などが言われます。まず、自分が生き残っていくことが一番かも知れませんが、そのためにも周りに気を配って行かないと長く残れない、つまり成長繁栄はあり得ないと思われます。そのため自分の側の課題は自分で解決し、自立し、早く周囲にも利益をもたらせる状態になるのが理想です。


 《結論》優先順位や二者択一は、限られた資源や時間を使う個人や会社の成長発展のために必要なことです。しかし、会社の都合をお客様に押しつけてはなりません。なるべく早くお客様の多少の無理にも対応出来るように成長すべきです。お客様から選ばれる商品サービスとそれを提供販売する組織が生き残っていけるのです。win-winの関係が築けなければなりません。