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2025/03/19
令和7年2月度 259号(R07.02) ビジネスに多様性はなぜ必要、また多様性とは何ですか?!

令和7年2月度 259号(R07.02)

ビジネスに多様性はなぜ必要、また多様性とは何ですか?!

 少し前から多様性という言葉をよく聞くようになった。欧米に比べ日本では会社の役員や管理職に女性が少ないから増やせとか、大手企業では社外取締役等の制度を採用するところも多くなってきている。理由は、企業が激しい競争を勝ち抜いていくカギとなるのが多様性だとのこと。でも、そもそも多様性とは何か、極端に言えば LGBTのことが頭に浮かぶ人もいるかもしれない。また、多様性は大事かもしれないが、組織に異分子が多くなればパフォーマンスが落ち成果が下がるから無理だと言う意見も多い。今回は多様性に絡む疑問点を解消するような書籍とその一部を紹介しよう。

 『多様性の科学』マシュー・サイド著(ディスカヴァー・トゥエンティワン出版) です。この本では、第一章で なぜCIAの分析官がアルカイダの9.11テロを防ぐことが出来なかったのかについて考察しています。 CIAの分析官は極めて優秀です。誰でもなれません。しかしながら、そのほとんどが、中流階級以上で育った、アングロサクソン系白人の男性で、宗教はプロテスタントだそうです。そうなるとイスラム圏の文化などよく分からない。たくさん上がって来た情報の選別に漏れが生じ、気づいた時には手遅れとなっていたようです。ビン・ラディンの動向や不審な人物がアメリカの航空訓練学校で操縦を学んでいた情報もつかんでいたが見落とされていた。このように画一的集団では死角(盲点)が生じやすい。

 400mリレーなど単純な場合は、最速の選手を4人(クローンが可能として)集めると完勝できる。しかし、複雑な社会現象ではそうはいかない。エコノミストの予測もそれ程高くない。一番当たったエコノミストが4人いるとしよう、結果はそれ程変わらない。思考や使う分析モデルが同じだから。ところが上位4名のエコノミストの予測を平均すると、単独の1位より良い予測結果が得られる。多様性の平均値が単独より優秀だという。もちろんレベルが低いものを平均しても結果はダメなのは明白だが。

 経済予測に関して言えば、人種や年齢、出身、趣味が全く異なる二人のエコノミストが、同じ大学で同じ教授の講義を学び同様の分析モデルならば、似た結果となる。しかしながら、出身、年齢、趣味、家族構成などがほとんど一緒でも、別の先生について学び異なる分析モデルを用いるならば結果を違ってくるはず。多様性は、このように人口統計的多様性認知的多様性に分類される。大事なのは当然、認知的多様性である。目に見える人口統計的多様性は分かりやすいが、それを基準にした集団で成果が上がる可能性は低い。実際、認知的多様性の集団を作るのは少し難しいかも知れない。

 画一(クローン)集団と反逆者の集団では、反逆者の集団が多様性があるとわかるが、成果に結びつけるのには簡単でない。会議を行うと画一集団は和気あいあいでスムーズに進行することが多いが、反逆者の集団では議論が紛糾したり時間が掛かったりするもの。でも画期的な成果が生まれやすいのは後者です。また、同一組織に長くいると反逆者だった新人が飼い慣らされ画一集団に変わる問題もある。

 リーダーのあり方も問題となる。支配型階層組織と尊敬型階層組織にニ分されるが、尊敬型組織でないと多様な意見等が上がってこない。いわゆる心理的安全性のある状況が望ましい。

 ここでは書籍の中のほんの一部を紹介しました。間違った解釈があったかもしてません。

多様性も大事だと知っていただければ幸いです。創造性を発揮させる場合など多様性が必要です。業界の常識を破壊するのも多様性です。しかしながら、現場の作業効率等には多様性はあまり必要無いかも知れません。また、大事な事ですが形式ではなく実質で多様性を考えてみてください。